お茶会と年中行事
表千家・裏千家・江戸千家などなど、お茶の世界も色々な流派がありますが、お茶会や、 1年を通してのお茶事などの行事は、ほとんど同じです。
お茶会や、それぞれのシーンに着る着物は、そのシーンによって異なってきます。特に、「お茶」は、 伝統あるお稽古事なので、季節や行事の内容を重んじるシーンが多いため、着物にも心遣いをしたほうがいいでしょう。

1月・・・初釜
新春を迎えて元旦には大福茶が点てられます。これは古くから病を除き、福をもたらすものとして行われてきました。家元では毎年元旦の早暁、
若水をくんで、家元自らのお点前で大福茶を祝う慣例です。
また初釜は稽古始と言われるように、 社中一同が集まって新春を祝います。形式は正式な茶事よりも濃茶を中心として薄茶、また雑煮・酒肴を饗します。
2月・・・暁の茶事
夜籠(よごめ)、夜込ともいい、昔は残灯の茶、残月の茶などとも言います。厳冬の時季(二月頃)
夜半から夜が明けていく風情を楽しむ茶事です。客を炉の炭火でもてなすと共に、夜明けを楽しむためのお茶時です。
暁の茶事では初炭点前のあと、釜をいったん水屋に持ち帰り、湯を半分ほどあけ、そこへ井華水(せいかすい)
をあふれるほど満たして柄杓で2~3杓かき出します。そしてこの釜を再び炉に据える時の、
濡れ釜の風情も暁の茶事ならではの楽しみがあります。夜咄に準じて行われ、灯火に灯心やろうそくの火が使われる。
特殊な茶事だけに夜咄に比べて催されることが少ないお茶事です。
午前4時頃から席入りして、一刻半(3時間)の間に行われる。
炉・・・前茶→初炭→懐石→中立ち→濃茶→続き薄茶
3月・・・利休忌
利休忌とは茶道を大成した千利休が天正19年(1591)2月28日に自刃されたのを偲び、
お茶をお供えする催しです。仏茶(くちゃ)といって、
茶せんも使わずお湯に抹茶を入れたものを床の間にいらっしゃる利休さんにお供えするものです。
その隣には格の高い花器(今日は青磁) に利休さんの大好きだった菜の花を生けてお供えします。利休さんが切腹自害した際、周りに大好きだった菜の花を置いたそうです。
4月・・・野点
5月・・・初風炉
11月から4月までの炉に代わり、
5月から10月は風炉(ふろ)になります。
5月になって初めて開かれる茶会を「初風炉」といい、初夏の趣を演出します。
6月・・・梅雨の茶
7月・・・朝茶
朝会とも言います。早朝の涼しい時間に行われる夏季の茶事。
窓や障子も簾に変え、打ち水をたっぷりとして涼しさを演出することが最高のもてなしにです。
水次で釜に水をつぐ音を聞き、さらに濡れ茶巾で釜膚を拭いた後、
次第に乾いていく風情を味わうのも朝茶事ならではです。
午前6時頃席入りして、一刻半(3時間)の間に行われる。
風炉・・・初炭→懐石→中立ち→濃茶→続き薄茶
8月・・・八朔
徳川家康が初めて江戸城に入った日から、以降大名や家来が登城し祝詞を述べたことに由来し、
茶道の世界でも弟子たちが家元に挨拶に行く暑中見舞の日となっています。
9月・・・天然忌七事式
10月・・・名残の茶事
5月から使っていた風炉もこの月限りで炉に変わります。風炉を惜しむ茶事をこの月に開きます。
11月・・・口切の茶事 炉開き
茶壷の口を切って、中の新茶を初めて戴くのが口切の茶です。茶はその年の5月に摘んだものをそのまま葉茶(碾茶)
として茶壷に詰めて秋まで保存し、11月開炉の頃初めて茶壷の口を切って、葉茶を臼で挽いて点てます。
これは開炉と兼ねて行われる厳粛な茶事で、古来茶人はこの口切の茶を茶事の中で最も正式なものとして重んじてきました。
茶の正月として、道具なども正月用のものや、慶祝の意を持つ道具類が多く取り合わされています。
12月・・・夜咄
夜会とも言います。初冬から早春にかけて夜長の時季に行われます。暖かくもてなすために、四畳半以下の小間がふさわしいとされています。
午後5時頃から始められ、寒さのおりとて、客がそろうとまず薄茶一服点ててだし、以後は正午の茶事に準じて行われます。迎え付きの際、
手燭の交換などがあり、夜咄ならでは見られない情景もあって、ひとしお風情の深い茶事です。古くは夜込めとも言われました。古来
「茶事は夜咄にてあがり候」と言われるほど主客共に難しい茶事です。
夕方の5時から6時頃に席入りし、一刻半(3時間)の間に行われます。
炉・・・ 前茶→初炭→懐石→中立ち→濃茶→続き薄茶

